リングのGW
これはゴールデンウィークにきまぐれにTwitterに投稿したものに加筆したものです。(‘-‘)

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四角いリングに滲む二つの影。大歓声が響く……。
マネージャー雪子「やめて!GWはもうっ!これ以上っ!」
GW「……大丈夫……まだ……いける……」
ふらつきながら前へ踏み出すGW。睨みつける日曜日。
日曜日の右パンチが放たれる。
次号「打ち砕くもの」お楽しみに。

その瞬間、全てはスローモーションになった。
日曜日の右ストレートがGWの左頬にめりこみ鈍い音を立て、GWの左フックが日曜日の顎を下から強打し、マネージャーの竜巻旋風脚が全てを薙ぎ払った。
「プキャクッ」
薄れゆく意識の中、テンカウントが聞こえ、右手を上げるマネージャーが見えた。

GWは特訓を続けていた。まだだ、まだ俺は終わっちゃいねぇ。
サンドバッグにパンチを打ち込み続ける。
マネージャー雪子「次の対戦相手が決まったわ……マンデーよ」
数々のボクサー(お休み)をリングに沈めた無敵のヤツが来る。
GW「……マンデー・モーニング!」

GWは戦った。まるで山と格闘しているようだった。
マンデー・モーニングはあまりに強く強大だったのだ。
(終わらない!俺はこんなところで終わらない……!)
GWの心の中の叫びが拳に魂を込もり、マンデーの懐に重い一発がぶちこまれた。
マンデーが一瞬ぐらりと崩れた。

だがそこまでだった。次の瞬間、マンデーの右フックがGWの左頬にクリーンヒットし、GWを体ごと吹き飛ばした。宙を舞うGW。そしてマットに静かに落ちた。
「ワン、ツー……!」
レフェリーのカウントがどこかから聞こえる。
見上げるとマンデーの巨体が逆光の黒いシルエットになって見えた。

マネージャーの雪子がジムの扉を開けるとそこには何も無くガランとした空間が広がっていただけだった。机の上にGWのメモが残してあった。
「行ってしまったのね」
そう言うと雪子は窓の外を見つめた。
GWは旅に出たのだ。次の栄光の時(来年)を目指すために。
頑張れGW。負けるなGW。


私の名は財家新一。ただのしがない貧乏学生である。

どうも最近おかしい。レジに並ぶ度に前に並んでいるおばちゃんがトラブるのである。あるおばちゃんは「あら、サイフどこ行ったかしら?」またあるおばちゃんは「これ向こうのレジで無いとダメだよね?」とか。まあ些細なことなのだけれど、実に時間がかかる。

物事にはエスカレートする法則がある。それに乗っ取ると、そのうちスーパーレジ待ちうっかりおばちゃんが大量発生するはずである。つまり人類は誰もスーパーで買物が出来なくなり、食料を調達することが出来なくなるのだ。つまり最終的に人類は餓死で滅亡する。なんということだ。

……とか言うことを考えつつ今日もスーパーへやって来た。カレーを作らんがためである。例によって前におばちゃんが並んでいる。

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これはある一人の男の奇妙な物語である。

うららかな春の日の午後、そよ風の吹く草原の道を、ある男が機嫌良く森への道を歩いていた。

男は名をオジョロと言った。男には大変美しい髭がフサフサと生えており、この辺ではその髭で有名な男だった。このことを大層自慢にしていており、ことあるごとにその髭を撫で上げていた。

男が歩いて行くと、やがて明るく広がる青空とは対照的な巨大な黒い森が見えてきた。まるで山のような高さであるが、山に木が生えている訳では無く、巨大な木が一面に生えているのだ。森は近づくたびに影を地面に大きく落とし、辺りをどんどん暗くしてゆく。

男は森の入り口へさしかかると歩みを止め、行き先を見つめた。暗闇が森の奥へと延々と続いている。

男は村の長の頼みで、この森の奥に住んでいると言う、モフモフ王に伝言を伝えに来たのだった。

「いくら長の頼みとはいえ、ちょっとこの森はおっかねぇなぁ。第一、モフモフ王って何者だ?王って付くぐらいだから、偉い王様には間違いないだろうけれど。しかし……この森、暗過ぎる……だが、長に頼まれたからにはやめる訳にはいかねぇ。おしっ!」

男は意を決すると、森の中へと踏み込んで行った。

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