「小説家になって億を稼ごう」というタイトルの本だが
うん、タイトルはどうか思った。が、アマゾンやWebでレビューを見たら、ご本人の書き方が書かれていて、そこに興味があったので読んでみた。Twitterでも一時期話題になっていたらしい。よく知らないが。
アマゾンのKindle版で792円でした。
自分は小説はほぼ読まない方なので、残念ながら作家本人も書いた本も知らない。そこはあしからず。
1章が小説の書き方
本がいくつかの章に分かれている場合、本題はだいたい後ろの方になる。この本も例に漏れず後半の小説家になってからの契約とか、編集者との付き合い方とか、お金の話がメインだった。
確かに役に立つとは思うが、今回はそこではなく、前半の書き方に興味があった。と言うのも自分の書き方と似ているなと思ったからだ。
似ていると思ったのは、想像というか映像が先という部分。まず映像を思い浮かべ、それを文章に落とす。自分もそういう風にやる。他の人はよく知らないが、字面を追いかけている人が多いのではないかと思っている。
自分は想像した物語が先で、小説はそれを文字としてアウトプットしたものに過ぎないと思っている。
「想造」という方法
筆者の想像から入る手法は徹底していて、物語の終わりまで完全に想像できるまでは一筆も書いてはいけないと言っている。筆者はそれを「想造する」段階と言っている。
その精度は分からないが、全てのシーンを事細かに想像して、それを覚えているとしたら凄いと思う。
どこまで克明に想像しているかは書いていないので分からないが、普通の人はそんな記憶容量は無いはずなので、断片を記憶するのがせいぜいだと思う。
多分そこまで事細かではなく、キーになる部分を覚えていると思うのだが書かれていないので分からない。
最初にメインのキャラクターを7人、サブキャラを5人、作るそうだ。
作る方法としては、写真を集める方法をとっている。考えたキャラクターに合う人物の写真をネットとかで集め、それをプリントアウトして貼っておくのだという。舞台になる背景写真もいくつか集めて貼っておくそうだ。
もっとも後半に書いあるが、慣れれば写真はいらないらしい。
そして「想造」する。キャラクター達が絡んで色々起きるのを観察するそうだ。その感覚は自分も分かる。キャラが勝手に動いて困る方なので。
自分の場合、ほぼ考えるときはアニメ的なキャラが思い浮かんでいるので、やるとしたら絵を描いてしまうと思う。アニメで言うところのイメージボードか。手間ではあるが、確かにイメージは固まりやすい。でも手間なのでラクガキぐらいに留まると思う。描きこむ必要は無いだろうし。自分が分かれば良いし。
十分に想造したら構成を作り始める。各話を1行で要約したものを全体の量作る。出来たらようやく執筆に入る。
そのまま鵜呑みには出来ないが、大いに参考になった
どれぐらいの期間「想造」するのかは書かれていなかったと思う。出来るまでだったかもしれない。まずそれが分からない。
7人メインキャラを集めると言うが、主人公はいいとして、他のキャラクターがどんなタイプなのかは書かれていない。そこも分からない。
もしかしたらアーキタイプなのかもしれないし、単に「興味深い人物」なのかもしれない。やはり分からない。自分だったら後者だろうと思う。
あとは組み合わせか。本でも書いてあるが、面白くならないのはキャスティングが間違っていると言う。これはとても正しいと思う。
という訳で、とても参考になった。確かに書くよりも想像の中で色々やったほうが早い。それは分かる。書くのは手間なのだから。